生成AIの利用ルール(ひな形)
このひな形でできること
生成AIの利用ルールの暫定版を、第1〜13条と別紙1〜3の形で、空欄を埋めながら作れます。
ガイド「生成AIの利用ルールの作り方(ひな形つき)」で紹介している11の項目と見出しの構成に合わせて作ったWordのファイルです。条文には書き方の例を入れてあり、会社ごとに決める部分は[ ]の空欄にしています。最初はA4で数枚の本体と別紙に収め、試行しながら直していく使い方を想定しています。
使い方
① 担当と関係部署を決めます。 総務・法務・情報システムなどの管理部門が中心になり、実際に使う部署からも1〜2人に入ってもらいます。
② いまの使われ方を確かめます。 どの部署で、どのツールを、何に使っているかを簡単なアンケートで把握します。実態に合った内容にすると、ルールが守られやすくなります。
③ 既存の規程と照らし合わせます。 就業規則、情報セキュリティ規程、個人情報保護の規程、秘密情報の管理規程と重なる条文は、そちらを参照する書き方に直します。
④ 空欄[ ]を埋めます。 会社名、担当部署、承認の手続き、記録の保存期間、見直しの時期などを書き入れます。使わない条文の例は消してかまいません。
⑤ 別紙1〜3を作ります。 別紙1は「入力してはいけない情報の一覧(入力してはいけない情報の一覧)」を使うと早く進められます。別紙2には会社が契約・承認したツールを、別紙3には社外に出す前の確認項目を書きます。
⑥ 一部の部署で試します。 1か月ほど運用し、迷った場面や質問を集めて条文と別紙に反映します。
⑦ 正式版として定め、周知します。 承認の手続きを経て公表し、短い説明会などで内容を伝えます。附則の改定履歴に日付を残し、見直しの時期を決めておきます。
中身(見出し)
| 見出し | 書く内容 |
|---|---|
| 第1条 目的 | 生成AIを安全かつ効果的に使うためのルールであること |
| 第2条 適用範囲 | 対象者(役員・社員・派遣社員・業務委託先など)と、対象となる利用(私物の端末での業務利用を含むか) |
| 第3条 用語の定義 | 生成AI、プロンプト(指示文)、生成物、承認済みツール |
| 第4条 利用できるツールと承認の手続き | 別紙2のツールに限ること、追加の申請の流れと承認の目安 |
| 第5条 入力してはいけない情報 | 3つの区分(入力してよい/条件付き/入力しない)と別紙1の参照 |
| 第6条 生成物の確認と責任 | 社外に出すもの・判断に使うものは人が確かめること、責任の所在、人の承認が要る操作 |
| 第7条 著作権その他の権利の尊重 | 似たものがないかの確認、作品名などを指定して似たものを作らせないこと |
| 第8条 個人情報の取扱い | 入力する場合の条件と、既存の規程との関係 |
| 第9条 お客様・取引先への説明 | AIによる応答であることの表示、取引先との契約の確認 |
| 第10条 記録と保存 | 利用者の一覧、承認の記録、社外に出した生成物の指示文と確認者 |
| 第11条 相談窓口と問題が起きたときの対応 | 窓口、すぐに報告すれば責めない方針、報告後の流れ |
| 第12条 教育 | 利用を始める前の説明と、定期的な確認 |
| 第13条 見直し | 見直しの時期と担当 |
| 附則 | 制定日・改定履歴 |
| 別紙1 入力情報の区分一覧 | 区分ごとの情報の例と判断の目安 |
| 別紙2 承認済みツール一覧 | ツール名・契約の種類・設定(学習への利用など)・管理者 |
| 別紙3 生成物の確認チェック表 | 事実・数字・固有名詞・権利・個人情報・表示の確認項目 |
記入例
架空の会社「株式会社〇〇」が、営業部と管理部で試行を始める場合の例です。
- 第2条(適用範囲): 「本ガイドラインは、当社の役員、社員、契約社員、派遣社員および当社の業務を行う業務委託先に適用します。私物の端末で業務の情報を扱う場合も対象とします。」
- 第4条(承認の手続き): 「別紙2にないツールを業務で使う場合は、[情報システム担当]へ申請します。承認の目安は、入力内容が学習に使われない設定ができること、会社のアカウントで管理できること、多要素認証が使えることとします。」
- 第11条(問題が起きたとき): 「入力してはいけない情報を入力したことに気づいた場合は、速やかに[管理部]へ報告します。速やかな報告を理由に不利益な扱いはしません。」
- 第13条(見直し): 「[管理部]は、[半年]ごと、または関係する法令・指針に大きな変更があったときに、本ガイドラインと別紙を見直します。」
使うときの注意
- 自社の規程・契約に合わせて直してください。 ひな形の条文は一般的な書き方の例です。就業規則や情報セキュリティ規程など既存の規程と食い違わないように整え、取引先との契約でAIの利用に条件がある場合は、その内容も反映します。
- 法令に関わる判断は専門家に確かめてください。 個人情報、著作権、労務、業界ごとの規制に関わる部分は、弁護士や社会保険労務士などの専門家に確かめていただくと安心です。
- 公的な資料の最新版を確かめてください。 総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン」、個人情報保護委員会の注意喚起、文化庁の「AIと著作権」に関する資料は更新されることがあります。条文を直すときは、それぞれの最新版を確かめてください。
- 本体は短く、別紙を更新していく形が続けやすくなります。 ツールの追加や入力情報の例の見直しは別紙で行い、本体の改定は見直しの時期にまとめて行う方法があります。
- このひな形は参考のための資料で、法的な助言や、監査・認証に代わるものではありません。
よくあるご質問
Qこのひな形をそのまま社内規程として使ってよいですか?
Aひな形は、条文の見出しと書き方の例をまとめたものです。自社の就業規則・情報セキュリティ規程・個人情報保護の規程と照らし、重なる部分は参照の形に直してからお使いください。法令に関わる判断は、弁護士などの専門家に確かめていただくと安心です。
Q別紙は本体と一緒に承認する必要がありますか?
A本体は承認の手続きを経て定め、別紙は担当部署が更新できる形にしておく方法があります。ツールの追加や入力情報の例の見直しが多いため、別紙を更新しやすくしておくと運用が続けやすくなります。