PILLAR 01 / 07

戦略

この柱で見ること

AIで何を実現するかを経営の方針として決め、投資と計画に落とし込めているかを見ます。

なぜ大切か

目的が決まらないままツールを入れると、部署ごとに使い方がばらばらになり、効果も測れません。経営が目的と優先順位を示すことが、ほかの6つの柱の出発点になります。

5つの段階で見ると

段階状態この柱では
Lv.1未着手AIの活用は個人の判断に任されている状態です。経営として「何のために使うか」を一文にすることから始めると、社内の動きがそろいやすくなります。
Lv.2試行目的は話し合われていますが、文書や予算にはまだなっていない状態です。優先する業務と、投資の判断の基準を決める段階です。
Lv.3部分活用目的と優先順位が決まり、一部で計画に沿って進んでいる状態です。1〜3年の計画と、経営が進み具合を確かめる場をそろえる段階です。
Lv.4全社展開全社の計画と予算があり、経営が定期的に確かめている状態です。事業や会社の価値への影響まで含めて見直す段階です。
Lv.5価値創出AIを前提に事業の方針を見直し続けている状態です。外部の変化を取り込む見直しの仕組みを保つことが目安になります。

段階ごとの次の一歩

Lv.1〜2(未着手・試行)のときの一歩

  1. 経営としてAIで実現したいこと(売上・コスト・品質など)を、1枚の文書にまとめます。
  2. AI活用を進める責任者を1名決め、経営会議で月1回、進み具合を報告する場を設けます。
  3. まず取り組む業務を3つまでに絞り、それぞれの期待する効果を書き出します。

Lv.3(部分活用)のときの一歩

  1. 投資の判断の基準(費用・期間・期待する効果・撤退の条件)を決め、案件ごとに同じ物差しで判断します。
  2. AIの利用・開発・教育の予算を、次の年度の計画に項目として入れます。
  3. 1〜3年の段階と目標を決め、四半期ごとに見直す時期を決めます。

Lv.4〜5(全社展開・価値創出)のときの一歩

  1. AIによる事業や競争の仕方の変化を検討し、新しい商品・サービスの案を経営会議で扱います。
  2. AIやITの整備が、資金調達・M&A・上場での評価にどう関わるかを整理します。
  3. 技術と制度の変化を受けて方針を見直す時期と担当を決め、続けます。

診断で確かめること(本格診断の10問)

  1. AIで実現したいこと(売上・コスト・品質・新しい事業など)が、経営の方針として文書になっていますか?
  2. 経営陣が、AI活用の進み具合を定期的に確かめていますか?
  3. AIを使う業務の候補を洗い出し、効果と難しさで優先順位をつけていますか?
  4. AIへの投資を判断する基準(費用・期間・期待する効果)がありますか?
  5. AIの利用・開発・教育のための予算が、年度の計画に入っていますか?
  6. AIによって自社の事業や競争の仕方がどう変わるかを、検討したことがありますか?
  7. AIやITの整備が、会社の価値(M&A・上場・資金調達での評価)にどう関わるかを把握していますか?
  8. 社内で足りない部分を、外部の専門家や支援先に頼る方針が決まっていますか?
  9. AI活用の1〜3年の計画(段階と目標)がありますか?
  10. AIの技術や制度の変化に合わせて、方針を見直す時期が決まっていますか?

本格診断(70問)を受けるクイック診断(10問)

この柱の記事

はじめる / ガバナンスと法令 / 戦略AI法と企業の対応:罰則のない法律で何をすべきかAI法(AI推進法)は罰則のない基本法です。企業に求められるのは、指針やガイドラインを手がかりに、AI活用の方針・ルール・体制・記録を自社の規模に合わせて整えることです。条文と政府資料をもとに整理します。嵐 保憲2026-10-25定着させる / 戦略 / ガバナンスと法令AIと企業価値:M&A・上場でAIとITはどう見られるかM&Aのデューデリジェンスや上場準備では、システム・契約・データ・セキュリティ・IT統制・属人化・AIの利用ルールが確かめられることが一般的です。価値を下げやすい状態と整え方、事業承継の前に整えることを整理しました。嵐 保憲2026-10-25広げる / 戦略AIへの投資の判断基準と予算の立て方:試す・広げる・続けるで分けるAIへの投資は、「試す・広げる・続ける」の段階ごとに判断の基準を変えると決めやすくなります。費用は初期・継続・見えにくい費用に分けて見積もり、予算は上限を決めた試行の枠と、結果を見て広げる枠に分けて立てます。嵐 保憲2026-10-26はじめる / 戦略AI活用の方針と1〜3年の計画のつくり方:経営の目標から逆算するAI活用の方針は、経営の目標とつなげて「何のために・どこで・何を守って」使うかを1枚にまとめます。計画は現状と目指す姿の差から、1〜3年を段階に分けて組み立て、半年ごとに見直すと進めやすくなります。嵐 保憲2026-10-26広げる / 戦略デジタル化・AI導入補助金の使い方デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、中小企業がAIを含むITツールを導入する費用の一部を補助する制度です。IT導入支援事業者と共同で申請し、交付決定後に契約します。枠・補助率・要件・締切を公式資料で整理します。嵐 保憲2026-10-25戦略 / データAIは経営の参謀になるか? データに基づく経営の進め方AIは、データを集めて選択肢と根拠を示す参謀役として頼りになります。一方で、何を問い、どれを選び、誰に任せるかは経営者の仕事です。データに基づく経営を始める手順と、AIとの役割分担をまとめました。嵐 保憲2026-10-25戦略 / 基盤とセキュリティ国内のLLM開発はいまどうなっているか? 2026年秋の動きと企業の選び方国内では、国の計画と支援を土台に、企業・研究機関が日本語に強いLLMを開発・提供しています。海外の大規模モデルと競うより、用途や管理の条件に合わせて選ぶ対象として見ると、企業の判断に役立ちます。石田 誠2026-10-25戦略 / ユースケースと効果いまのAIにできること、できないこと 「予測」と「説明」の違いから考える使い方いまのAIは、データの規則性から先を当てる「予測」は得意ですが、なぜそうなるかの「説明」は苦手な場合があります。この性質を前提に、人の判断と組み合わせて使うのが現実的です。研究の内容と業務での使い分けを解説します。石田 誠2026-10-25戦略 / ユースケースと効果AIの導入で成果を出す会社は何が違うのか? 公開事例から見る進め方AIの導入で成果を出している会社は、解決したい課題から始め、現場を巻き込んで小さく試し、使いながら直し続け、効果を数字で確かめています。公的な調査と公開事例をもとに、その進め方をまとめました。嵐 保憲2026-10-25

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段階の目安と次の一歩は一般的な参考情報です。会社の状況により、取り組みの順番や内容は変わります。

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